通常、足場の設営も屋根葺きも、自分1人ですることが多い。茅葺きってひとりで出来るものなの?と聞かれることが多いけれど、物理的に無理ではない、というところ。自分が言うのは変だろうが、あまり1人でやるべきものではないと思う。また、ひとりで出来る範囲の仕事に限定しているから出来る、というのもあるだろう。
見習い時代、ひとりで現場を任されると自分の動きの無駄によく気付く、と教えられた。確かに、あれを上げろ、これを持ってこいの指示ひとつで事が動くことに慣れていたら、段取りの先読みが身に付きにくいかも知れない。自分はひとりで仕事している期間が長い分、足場に上がる前に何か持っていくものはないか、足場を降りる前に何かついでに持って降りるものはないか、そういった頭の回転は身についたように思う。
ただ、一人に慣れ過ぎるのも問題があるかな…と最近は思う。一人で全てを背負うことは重いが、大抵の物事において、自由と責任は表裏一体。一人で背負うということは、一人で決められるということ。子どもの頃から付き合いや集団行動が少々苦手だった自分にとって、一人で仕事するということは、大変さよりも精神的な気楽さが勝ったからに過ぎない部分はある。
この冬3件目の出張仕事は、複数人でのチーム戦。自分ひとりなら何とでもなる、は通じない。明確な指示出し、スケジューリング、意見交換…。不得意などと言っていられない。成長の機会と思って、頑張ろう。
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